多野郡神流町のメインストリート、国道462号沿いにある和菓子店、『菓匠 新月堂』。明治43年に創業し、奥多野ゆかりの郷土銘菓を季節に合わせて作り続けている名店であり、折々のお祝い物や贈答品として、地域になくてはならない存在です。今回は、店主の大谷彰さんに、お菓子作りの作業工程を見せていただき、一押しの創作菓子について、また神流町でお菓子を作り続けることへの思いについてお話を伺いました。
新月堂の一押し和菓子、「奥多野路」
-新月堂さん、お菓子がたくさんありますけど、特におすすめしたい商品は何ですか?
大谷 やっぱり「奥多野路」ですね。栗きんとんのお菓子です。真ん中に栗きんとんがあって、丸い「こなし生地」で包んでいます。「こなし」というのは関西のほうで使われる生地なんですけど。イメージとしては蒸し羊羹の生地に近い感じ。
これが好きな人は本当に大好きだと言ってくれます。
-「奥多野路」は東京でも販売していらっしゃいますね。
大谷 「奥多野路」は東京の神田のコーヒー屋さんで売ってもらっています。蔵前のコーヒー屋さんともコラボして和菓子に合うオリジナルブレンドコーヒーも作りました。
-あと、以前の取材のときにお話を伺った、「恐竜の玉子」。これは、神流を代表するお菓子になると思うんですけど。
大谷 これも美味しい。これはダックワーズでね。何回か試作を重ねているけど、これが一番売れていると思う。一番大きいし。
-ガトーショコラもありますね。でも餡子がベース?
大谷 そうです。例えばいちごだったら、いちご餡を作って。それにホワイトチョコを合わせて。割合でいったら、チョコより餡子のほうが多い和菓子屋さんが作ったガトーショコラです。他にも昔ながらの和菓子「干しようかん」は外は干してシャリシャリと、中はしっとりした食感が楽しめる珍しいお菓子です。
-でも神流町、お水は美味しいですよね。
大谷 本当に水はおいしいとおもいます。うちのお菓子作りも、この水に助けられているのかも知れないですね。
小学生とのワークショップ
-これは何というお菓子ですか?
大谷 これは「まんじゅうアラカルト」。白い普通のまんじゅうと、抹茶味、いちご味、ココア味のおまんじゅうを作ります。白いまんじゅうの配合が基本で、粉の一部を抹茶、いちご、ココアに置き換えて作ります。餡子もそれぞれ変えていて、ココア味にはチョコチップあん、いちご味にはいちごミルクあん。抹茶味には粒あん。どれもうちにある材料で手作りしています。先日小学校から頼まれて、ワークショップも行いましたが好評でしたね。みんな上手に作っていましたよ。
-今日はお時間いただきまして、ありがとうございました。
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