最近では口コミもかなり広範囲に渡っているそうですね。
和典さん:5年前くらいかな、ニュースに出たのが大きかったんですよね。二刀流の店としてテレビに取り上げてもらったんです。
真由美さん:大谷翔平さんの効果でね。
和典さん:放送後はとにかく反響がすごかった。ニュースを見て、その足で埼玉から来てくれた人もいましたが、あれはビックリした。その効果で東京や埼玉、横浜といった関東圏を始め、関西から来てくれる人もいます。
真由美さん:いまだに「ニュース出てましたよね」って言われるんですよ。
和典さん:もっとすごいのは、中国から来た人もいた。
真由美さん:いたね!ベトナムからって人もいたかな。伊香保温泉が近いから、その帰りに寄ってくれるんですよ。せっかく来てくれたのにメニューが読めないんじゃ可哀そうだって、インバウンドの方向けに外国語のメニューも作りました。
和典さん:どうやら外国の方は写真で選ぶみたいなんです。だから、文字を少なくして写真をたくさん載せて、分かりやすい内容にしました。コロナが落ち着いたら、また外国の方にも足を運んでもらいたいですね。
さまざまな浮き沈みがあって今に至るんですね。
和典さん:波があるってのは「調子づくなよ」っていうことなんじゃないかな。
あとは出すものを崩さないってことを大切にしています。どんな状況でも自分が納得したものを出す、そのスタイルは絶対にブレちゃいけない。そこは創業当初から受け継いできたものでもあります。
真由美さん:私も嫁に来て驚きましたけど、とにかく宮川家はモノを大事にするんです。厨房にある蒸し器や鍋、ヤカンといった調理器具はほとんど創業当初から使っているものばかり。どれも40年選手ですよ。私は新しい方に目がいっちゃう。だからよく言われるんです、「お前は何でもすぐ捨てたがるけど、食材でも何でも無駄にしちゃいけないよ。捨てるのは1番最後だよ」って。
店内にあるモノも宮川さんの歴史を物語る大切な一部なんですね。そういえば、店にはギターやバイクの写真も飾られていますが。
和典さん:音楽が好きなんです、ビートルズとかジミヘン、長渕剛も好きですね。今は、たまに部屋でポロロンってギターを弾くくらいですが(笑)。店頭に飾ってあるギターは弟のものなんですが、インスタで投稿してくれる人もいて。
真由美さん:そのインスタを見たお客様が、たまたまBOOWYの高橋まことさんとお知り合いで、ご本人を連れてきてくれたこともあるんですよ!
和典さん:あれは興奮しました!!あの憧れの高橋さんが来たんですから!!
ちなみに写真は、自分で撮ったものや後輩が撮ったものです。夫婦でバイクに乗るのが好きなので、出掛けた先で撮りました。バイクで色んなところに出かけて、美味しいもの食べたりするのに憧れていて。
真由美さん:私も大型のバイクの免許を取得しました。色んなお店を回って、参考にさせてもらってます。
和典さん:このバイク、元々は俺のだったんですけどね!
お父さんとお母さんに負けず、お二人も仲が良いですね。最後に、今後の展望を聞かせてください。
和典さん:展望は特にないですね。今を大切に、とにかくこの店を守っていく。それしかありませんから。
編集後記
おいしい鰻と焼肉が食べられる店として評判を馳せる宮川さん。今年で創業45年を迎え老舗の域に入る名店だが、その歴史はなかなか語られてこなかった。「そんな昔のこと覚えちゃいないよ」。智男さんは取材前、何度もそう仰られた。過去を振り返ることなくひたむきに走り続けてきたのだろう、傷だらけの指がそう物語っていた。そんな職人を隣で支えてきたのが、妻の永子さんだ。ほんわかとした明るい性格で、智男さんや店を照らし続けてきた。「お客様のおかげ」「うまくいったからって傲慢になっちゃダメ」「人と接する仕事だからこそ心はいつも素直に」。82歳ながら現役で店に立つ永子さんの話は、格言ともいえる言葉が多かった。そんな夫婦二人三脚の店に新たな風を吹き込んだのが、2代目の和典さん・真由美さん夫妻。“どんな状況でも確かなものを提供していきたい”。智男さんと永子さんが大切にしてきた宮川イズムを継承している。これからもまだまだ続く宮川さんの名店ストーリー。その続きが楽しみだ。
うなぎ 炭火焼肉 宮川 / 渋川市
【鰻 焼肉 宮川より】
うなぎは国産の活鰻、肉は黒毛和牛と麦豚、米は100%国産米を使用するなど、厳選素材にこだわった『うなぎ&焼肉』の店です!野菜も自家栽培した新鮮な無農薬野菜を使っています。
住所:渋川市渋川1749-12(旧長塚町)
TEL:0279-22-0662
営業時間:ランチ/11:00~14:00 ディナー/17:00~21:00
店休日:毎週水曜日 ※祝日の場合は営業。7・8・12月は無休
駐車場:12台
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